北村周一のブログ《フェンスぎりぎり》

フラッグ《フェンスぎりぎり》展へようこそ。現代美術紹介のコーナーです。とりわけ絵画における抽象力のリアルについて思考を巡らしたい。またはコーギーはお好き?

カテゴリア《視像のゆくえ》展の、ゆくえ

P8160130_editedcategolie銀座ギャラリー檜Aにて開催された、カテゴリア展の会場風景です。
2010年7月26日~8月28日までのロングランでした。

さとう陽子・稲憲一郎・藤井博・北村周の、4名のうちのふたりによる、二人展×4週という内容の濃い展覧会でした。

暑い、熱い夏の記憶を今一度、あなたに。
そのカテゴリア展のおりの案内状をここに紹介します。

「kategoria_a.jpg」をダウンロード こちらが表、
「kategoria_e.jpg」をダウンロード こちらが裏 
テキストは、以下の通りです。 

カテゴリア~視像のゆくえ~(全文)

このカテゴリア展は、2008年の 夏、練馬区立美術館にて開催された、「絵画にみるもの、絵画からみえてくるもの」展に着想を得て企画されたものです。
また、「視像のゆくえ」というサブタイトルは、その折りのパンフレットのテキスト(平井亮一氏寄稿)に拠るものであります。

カテゴリア(カテゴリー)とは、本来述語の意、西周により範疇とも訳されております。
今展では、「みること」、「目にみえてくること」に焦点を合わせるためにその判断の基準として、連続、展開、受容、反省の(いわゆる、量、質、関係、様相のカテゴリーに対応するところの)四つのカテゴリーを選定しました。

より深い理解を得るために、敢えて視野を狭める場合があります。
フレームが絵を隔てるように存在することと似ているかもしれません。
そしてまた、森へ来て個展におもいを馳せいたり さらに四つのカテゴリーなど、といった事態も間々起こりうるのです。ことほどさように、視像のゆくえは悩ましい。

さて、お盆休みの一週間をあいだにはさみ、四週連続して催されるこの四名のうちのふたりによる二人展は、毎回相手と画廊の壁面を(むろん作品も)替えながらの展示となります。
暑いさなかではありますが、ご高覧いただきますようご案内申しあげます。(きたむら)

  かんがへて飲みはじめたる一合の二合の酒の夏のゆふぐれ   牧水