北村周一のブログ《フェンスぎりぎり》

フラッグ《フェンスぎりぎり》展へようこそ。現代美術紹介のコーナーです。とりわけ絵画における抽象力のリアルについて思考を巡らしたい。またはコーギーはお好き?

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

泉質は鉄分が主の黄金湯に浸かるわたくし月見ておりぬ

六十六日目。 泉質は鉄分が主の黄金湯に浸かるわたくし月見ておりぬ きょうで4月が終わります。

伊香保なる朝日まばゆき湯のさとに来ておりようよう四月が終わる

六十五日目。 伊香保なる朝日まばゆき湯のさとに来ておりようよう四月が終わる 昇り下り多きいかほの湯にありてこころ放てり展望風呂に 写真は、相模川の鯉のぼり大会の一コマ。

タイヤの圧少し足したら伊香保まで個展見に行く みわはるき展

タイヤの圧少し足したら伊香保まで個展見に行く みわはるき展 六十四日目。渋川市美術館でのみわはるき展を見に行きがてら。

降ろされてもとのかたちに戻るときおとなしくあれ 国旗を畳む

六十三日目。 降ろされてもとのかたちに戻るときおとなしくあれ 国旗を畳む吹く風の仕業にしてしまうのだから。

母は母の父は父の座、感情の縺れしままに囲む湯豆腐

六十二日目。 母は母の父は父の座、感情の縺れしままに囲む湯豆腐 湯豆腐が一番のごちそうだった頃のお話し。

輪郭はあなたにひとつわたしにも明日の真白き抜殻なれど

輪郭はあなたにひとつわたしにも明日の真白き抜殻なれど 六十一日目。骨格があらわになるとき。

サヨウナラはどこにでもあると裏窓へメジロ、キジバト来たりては告ぐ

サヨウナラはどこにでもあると裏窓へメジロ、キジバト来たりては告ぐ 六十日目。水牛のようにもっさりとうごく。

朝に晩に水撒くならい縁がわに置かれし父の腕時計かな

朝に晩に水撒くならい縁がわに置かれし父の腕時計かな 五十九日目。白き縁側より。

ほろほろとくちさみし気に鳴きながらわれに寄り来る一羽の土鳩

ほろほろとくちさみし気に鳴きながらわれに寄り来る一羽の土鳩 五十八日目。 嘴を向けて近づいてくるので。

茶畑をまもる木立が空港の建設工事を暫しおくらす

茶畑をまもる木立が空港の建設工事を暫しおくらす 五十七日目。晴れの日が続くようになりました。 静岡空港にはまだ行ったことがないのだが。

底ふかき海の気配が茶畑の原一面を波打つごとし

五十六日目。 底ふかき海の気配が茶畑の原一面を波打つごとし雨風のつよい一日となりました。

花蜂の視野に舞い込む藤棚の藤の花房 われは華やぐ

五十五日目。 花蜂の視野に舞い込む藤棚の藤の花房 われは華やぐ 見ているだけで満足します。フラッグ《フェンスぎりぎり》1999年以後展は、無事終了しました。ご来館いただきありがとうございます。

弧をえがく小石のゆくえ茶畑を越えておおきく駿河湾まで

五十四日目。 弧をえがく小石のゆくえ茶畑を越えておおきく駿河湾まで どこで筆を置くか。

ホバリングは羨しかりけれ藤棚のそらを飛び交う花蜂の眼よ

ホバリングは羨しかりけれ藤棚のそらを飛び交う花蜂の眼よ 五十三日目。 なかなか晴天の日が続きません。

藤いろは菜の花いろの補色かな羽音忙しきハナバチは来ぬ

藤いろは菜の花いろの補色かな羽音忙しきハナバチは来ぬ 五十二日目。消されるために塗りかさねゆく絵具の色のかずかず。

カンヴァスの上の絵具のさまざまをひとはときどき空間と呼ぶ

五十一日目。ようやく晴れたと思ったら・・・。 カンヴァスの上の絵具のさまざまをひとはときどき空間と呼ぶ

空間は旗のようなりひらいたり閉じたりフラッグ《フェンスぎりぎり》

五十日目。ぽっかりと穴が開いたような、風にはためく旗のようなそれらを試しに空間と呼んでみることにした。そうしたら、どこにでもあることに気づいた。 空間は旗のようなりひらいたり閉じたりフラッグ《フェンスぎりぎり》 写真は、静岡県来宮にある新か…

最終日は、晴れますように

モンミュゼ沼津/沼津市庄司美術館でのフラッグ《フェンスぎりぎり》1999年以後展も、残すところあと6日となりました。 最終日19日日曜日午後3時より、パイプオルガンの演奏会が開かれます。ヴァイオリンとの合奏もあります。 天気も良いようなので、…

そのあまり床に落とせり戯れにラクを背負いし青い眼の客

四十九日目。そろそろ疲れてきたかも。 そのあまり床に落とせり戯れにラクを背負いし青い眼の客

コーギーは妖精の謂い尻を向けオリをくわえてペット・ショップに

コーギーは妖精の謂い尻を向けオリをくわえてペット・ショップに 四十八日目。元気なころの楽。

輪島生まれ清水育ちと記しおくわが身上に裏おもてなし

四十七日目。 輪島生まれ清水育ちと記しおくわが身上に裏おもてなし裏日本、表日本とはいまは言わない。

畦に立つ妹を呼びてのひらに載せゆくカエルの卵ひと房

畦に立つ妹を呼びてのひらに載せゆくカエルの卵ひと房 46日目。 水温む候。

ポロポロと告げにくる口悪い口オシロイバナがタネ吐く如し

四十五日目。 花韮は、寒さに強い。 ポロポロと告げにくる口悪い口オシロイバナがタネ吐く如し

心もち開きかげんのくちびるの像の飛び交う春の宵かな

四十四日目。雪が降るとは。 心もち開きかげんのくちびるの像の飛び交う春の宵かな

巣の外へ外へと汚物放射せるコウテイペンギン何をか暖む

四十三日目。 春は疲れが溜まりやすい。 巣の外へ外へと汚物放射せる コウテイペンギン何をか暖む

繰り返し電車男がその口へはこびいるものかりん糖なり

繰り返し電車男がその口へはこびいるものかりん糖なり 四十二日目。代々木ギャラリー:2001年

湯上がりの腰にタオルを巻きながら十字を切るごと拭うすがた見

四十一日目。 湯上がりの腰にタオルを巻きながら十字を切るごと拭うすがた見 寒くなったり、あたたかくなったり。

橋桁の菜屑しずかに向きをかえながれ出したり河口の水に

橋桁の菜屑しずかに向きをかえながれ出したり河口の水に 四十日目。清水市の巴川の光景。 写真は、民族学博物館の一室。

Who am I ? 眠れぬ夜のゆめながらすでに歩数は五桁にのぼる

三十九日目。 Who am I ? 眠れぬ夜のゆめながらすでに歩数は五桁にのぼる歩きながら考えるしかないのですから、夢の中でも。 桜の散り際は、さむざむしい。

皮付きのりんごのウサギたちまちに耳は剥けたりわが舌の上で

三十八日目。皮付きのりんごのウサギたちまちに耳は剥けたりわが舌の上で 夜の林檎は医者いらず。