2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧
短歌楽、第十六号刊。個展会場風景、三首詠。 赤にして葡萄酒あやしもギャラリーの床を滴滴手に紙コップ 右を見て左見ておりいずれもが顔見知りなる個展の宴 すみやかに去りゆく気配 ギャラリーの壁をいちもく見渡しにつつ
短歌楽、第十五号刊。スケッチ帖より、へなちょこ三首。 忘れ物したる級友えらばれてモデルとなりぬ図画の時間に いたいたしきまでにモデルをつとめたるクラスメイトの渾名薄鈍 絵葉書や切手とともに抽斗へ仕舞いわすれた東京五輪
短歌楽、第十四号刊。速度をうたう、ついでの三首。 機影なき爆音を目に追いながらカーワックスを拭き上げて無口 高気圧を待つらん新車のボンネット磨き終えて空仰ぐ青年 寝静まりし街を駆け行くライダーよ至上の愛の空焚きは無援
短歌楽、第十三号刊。世の中の由無し事をつれづれに、三首。 国道を脇に逸れたるあのあたり菊地直子の住まいしところ オウム真理教とのちがい簡明に述べよ説くべし 異教徒なれば 手配写真見ながら模写の真似ごとも 人を待ちつつKOBANの前
短歌楽、第十二号刊。ほとぼりの冷めないうちに、以下三首。 われらいまことば少なに手を添えてなに待つ泡立つビールを前に のどもとより鼻腔に抜ける麦の香よ 麒麟ラガーの愛飲者たれ 〈センセイの鞄〉を胸に抱くように読みつぐこころ とある酒場で
短歌楽、第十一号刊。酒にまつわる、あれやこれや、とりあえず三首。 圧うすき線描のごとくレシートの文字は出で来ぬ 酒量を連れて 遺失物は紺のかばんに寺山と都築直子と中澤系ほか 畳み掛けてきたる正論まえにして声につぶやくそれはぼくのコップだ
短歌楽、第十号刊。 切りよく三首、これでひとまず30首出そろいました。 球根はビニール袋を突き抜けて 鋭しアラビアン・レッドの発芽 絵には絵のうたにはうたの定めありて風吹けば踊る紙の兵隊 どこがどうつまらないかということをうまい絵肴につつくしあ…
短歌楽、第九号刊。月並み三首。 世界一目立たないから中古車の白のカローラ テロにも使う 水槽は人寄せやすく処方箋受付薬局の嵌殺し窓 座間基地を祝う花火がはらりはらり火の粉を降らせり仰ぎてあれば
またまた短歌楽、第八号刊。 三首、路上あれこれ。 アスファルト上に貼りつくいちまいのバンドエイドを跨ぎゆく足 道なりに駅へとつづくこの町の曲がり具合は不自然であろう 逆らってごめんなさいというように歩むに慣れて腰曲がりたり
短歌楽、第七号刊。 現代音楽は、お好き?以下三首。 仁丹の粒をふふみしくちもとに譜面をよせて武満氏あり ミニマルは打楽器がよろしなかんずくマリンバにわれ感情移入す 私に遮られない休息を教えみちびく秋の日の欲し
6短歌楽、第六号刊。下の絵は、2005年4月、distance no.22~素描-色へ~展のときのもの。 ジーンズと同色のシャツを着こなしてジョン・ケージ氏は大股であるケージ氏は無類のキノコ好きなればたまに搬ばれて胃洗浄する鼻みずが出たり引いたり哀しみのボレ…
短歌楽、第五号刊。甲州をうたう。 ああこれがなんじゃもんじゃの木ですかと声を上げつつなだれを来たり野を吹く風 WILD WIND ジムニーを駆って一気に右左口村まで大空の真下かすかにそらは揺れカーブ・ミラーが口開けて待つ 山梨県増穂町萬屋酒蔵店店先
英訳文は、こちら。 「until_1999the_flag.doc」をダウンロード The Flag Until 1999,when the picture was given the title ‘The Flag’, I ended up continuing to paint this series of two lines for about 10 years,top to bottom and right to left,whi…
フラッグ、フラッグ、フラッグ 1999年の、フラッグというタイトルをつけた一連の絵になるまでは、約10年のあいだ、最終的には上下、左右の2本の線に収斂するような、絵の制作をつづけて来ました。
ブログパーツ増殖中、なれど少し減量。 木漏れ日の中の楽
4月の安芸の宮島、絵葉書みたいだけど。とても暑かった。いちどは訪れたい。