北村周一のブログ《フェンスぎりぎり》

フラッグ《フェンスぎりぎり》展へようこそ。現代美術紹介のコーナーです。とりわけ絵画における抽象力のリアルについて思考を巡らしたい。またはコーギーはお好き?

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

車群よりひとり抜け出す方策としてのことわり 速度緩めよ

千百六日目。 いわゆるフラッグフェンスぎりぎり。

吉祥寺に吉祥寺なる寺はあらず ふるさともとめて花一匁

千百五日目。 吉祥寺というお寺は、今は東京駒込にあります。江戸の大火により、門前の住人が移り住んだことで、吉祥寺村と呼ばれたそうです。

クラス中の人気を独り占めにして鼓笛隊では指揮棒を振る

千百四日目。 集団生活に不慣れな子どもはどこにでもいる。コイシヲツナグ。

これでもかと酒飲むひとのかなしみを思うことあり父と呼びつつ

千百三日目。 神経不安は、酒が癒すこともあるだろうが、だとしたら、一生涯飲みつづけなければならないだろう。

夜の深けを灯りもとめてのみ直す酒のいきおい眩しくもあり

千百二日目。 春待つ土のゆたかなるべし。

ふかざけを悔やみつつひとり過ぎゆけり月下梅花の香なるところ

千百一日目。 タイヤ好きのネコ。

妹の告げ口により蟹歩きしつつ泣き泣き帰る女友だち

千百日目。 図書館への行き返り、香り豊かな満開の白梅に会う。

動きやすい服装で来てねといったのに、ツイスター・ゲーム始めるよ

千九十九日目。 黄色が極め手。四つのユーモレスクから。

写真では遅すぎるからすみやかに絵筆滑らす覚悟の上の

千九十八日目。 とはいえ、できるだけゆっくりと。

なにごとか忘れたきことあるような 酒は怖し醒めてくるとき

千九十七日目。 四つのユーモレスク 2018

革命家 老いたるも紅き消火栓抱きてひとり立てこもる二月

千九十六日目。 続一ダースの月、事始め。

無題とは、とわに名のなき水鳥の独り翅ふるごときしずけさ

千九十五日目。 絵の題を決めよう。

地の下へ溺れるごとき感覚もてひとり降りゆく夜あることも

千九十四日目。 あまりに明るすぎると、見落とすこともあるだろう。

褒めらるることに慣れざる幼子のごとし ほどけし輪郭を撫づ

千九十三日目。 モルト2010・右 F120号。

毛布いろに染まりしわれのりんかくを隈どるごとも午後が来ている

千九十二日目。 春眠暁を覚えず、とはいうけれども。 モルト2010

水平に拡がりながら溜まりゆくそれよりはやくかわく輪郭

千九十一日目。 もの食べるときには、輪郭からいただく。

感情に恃むことなく構成に走らずけだしえのぐはかわく

千九十日目。 乾くまで待つしかないのですが。

分析だけでは 暮らしが立たず 綜合だけでは 言葉が足らず

グループ展のお知らせ 詳しくはこちら ➡ http://hinoki.main.jp/img2018-2/b-3.jpg <ギャラリー檜B・C> 1.展覧会のタイトル dialogue 絵画について 2.展覧会場と会期 会場:ギャラリー檜B・C 〒104-0031 東京都中央区京橋3-9-9 ウィンド京橋ビル2F T…

戸袋に手を挟まれぬように注意してひらく扉にいきなりGetz

千八十九日目。 電車のドアの戸袋部に手を挟まれる事故が多いらしい。注意を喚起するステッカーが、わりと低い位置に貼ってあるのは、乳幼児の目線に合わせているからであろうか。

声の彼と泣きつつケータイしていしが眠りたまえりメトロ車内に

千八十八日目。 予報通りの夜の雨、春の雨か。搬入展示の日。

晴れるかと夜空仰げばほのぼのと莟ふくらませハナミズキあり

千八十七日目。 遠近法の逆転。こちらは春待つ、梅の木。

洗面のミラーの前にうかんでは沈むうたくず口を漱がな

千八十六日目。 天井が高くなくても、スペースがそんなに広くなくても個展。2010年。たったの三枚。

回りみち余儀なくされし動線上の渋谷ヒカリエのりかえ淡し

千八十五日目。 なにごとも、乗換には苦痛が伴う。

彼の天安門広場思えば久方のとおい夜空に咲く鄧麗君

千八十四日目。 鄧麗君、Teresa Teng。 2010

戌年の次男の声にゆめさめてひとつ飲みたす眠剤無臭

千八十三日目。 灰いろの水のはじまり、水牛だよりはこちらから。 http://suigyu.com/2018/02#post-5493 2010

三保遠く近くに浮かび波打てば袖師海水浴場朧

千八十二日目。 季節外れ歌つづき。袖師海岸は、遠浅で美しい入江をかたちづくっていた。まだ若い父と母と、小さな妹と。 2010

アトリエの裏庭にふる雪の精『へえうらかたし』は絵の題とする

千八十一日目。 うてな、臺 2011。

ふりつもる雪ん子みれば裏庭をしたからうえへ、へえうらかたし

千八十日目。 『へうらかたし』絵の題とする。

垂直に降り立つ画布の背後よりしのび寄るごと紫ありぬ

千七十九日目。 また雪ん子が。字母、2013。