北村周一のブログ《フェンスぎりぎり》

フラッグ《フェンスぎりぎり》展へようこそ。現代美術紹介のコーナーです。とりわけ絵画における抽象力のリアルについて思考を巡らしたい。またはコーギーはお好き?

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

嫋やかに笑まう義弟その顔をさいごに見しはここ庄やなり

二百八十五日目。 はや霜月晦日。三島駅前に、日本海庄やという居酒屋があります。 嫋やかに笑まう義弟(おとうと)その顔をさいごに見しはここ庄やなり

伸びやかに束ねられたる銀髪に月明り射してさよならという

二百八十四日目。ようやく銀杏が見ごろとなりました。 伸びやかに束ねられたる銀髪に月明り射してさよならという

三島駅南口にも満月は、握手交わせしひとは去りゆく

二百八十三日目。こんばんは、寒くなりましたねえと挨拶を交わす声が聞こえる。 三島駅南口にも満月は、握手交わせしひとは去りゆく

緩やかなる坂の途中にギャラリーはありてみちみち満月に遇う

二百八十二日目。三島の町は暖かだった。先一昨日のことだけれど。 緩やかなる坂の途中にギャラリーはありてみちみち満月に遇う

そうかもう函南の駅かあの長い長いトンネルを抜けたのかな 俺

二百八十一日目。 パニック症にとってトンネルは鬼門です。丹那トンネルは特に。 そうかもう函南の駅かあの長い長いトンネルを抜けたのかな 俺

根府川の駅に燈りの点り出すころをま白き月上がりおり

二百八十日目。一転して、寒さひとしお。 根府川の駅に燈りの点り出すころをま白き月上がりおり

どの嶺も駿河湾へと連なるをたわわなるかな蜜柑を捥ぎぬ

279日目。妙にあたたかい一日だった。どの嶺も駿河湾へと連なるをたわわなるかな蜜柑を捥ぎぬ

ねむりにつく前の私を率き連れてさまよえるごとし眠られぬ夜は

二百七十八日目。勤労感謝の日。何かいいことがあるかも。 ねむりにつく前の私を率き連れてさまよえるごとし眠られぬ夜は

もう朝が来ているらしい耳だけが外を見ている時間が重い

二百七十七日目。あすは小雪。 もう朝が来ているらしい耳だけが外を見ている時間が重い

木洩れ日と夜を瞬く星々をつなぎとめいるきみの眼差し

二百七十六日目。灯油販売業者や廃品回収業者のトラックが巷に増えた気がします。 木洩れ日と夜を瞬く星々をつなぎとめいるきみの眼差し

抽斗の奥に大事にしまいしは臍の緒はたまた遺言状か

275日目。紅葉真っ盛り。 抽斗の奥に大事にしまいしは臍の緒はたまた遺言状か

ポイントの加減乗除はいつしかにわれを追い越し紅葉暮るる

二百七十四日目。ゆっくりと確実にいろづくもみじ。 ポイントの加減乗除はいつしかにわれを追い越し紅葉暮るる

千分の一の位のあれこれに心血を注ぐクレカ人あり

二百七十三日目。クレカとは、クレジットカードのことらしいのですが。 千分の一の位のあれこれに心血を注ぐクレカ人(びと)あり

みずからのすがたに似せて造りしと聞かされてより神は恐ろし

二百七十二日目。教会の日曜学校で要理を学んだことがあるけれど。 みずからのすがたに似せて造りしと聞かされてより神は恐ろし

平成のミカドとぼくと飼い犬のラクはこぞって誕生日いっしょ

二百七十一日目。始まりがあれば終わりもあるが。 平成のミカドとぼくと飼い犬のラクはこぞって誕生日いっしょ

千首までは程遠けれど千分の一秒はけだし手振れはせぬと

二百七十日目。七五三。お囃子が聞こえる。農協の秋大祭。 千首までは程遠けれど千分の一秒はけだし手振れはせぬと

ゆるしがたく汗ばむからだ夢醒めて逃げ出すときのことばは寒し

二百六十九日目。冷たい雨、外出は控えよう。 ゆるしがたく汗ばむからだ夢醒めて逃げ出すときのことばは寒し

クレージーキャッツと武満徹との熱き接点ひそかに思う

二百六十八日目。ハナ肇の享年は六十三歳、短命でした。 クレージーキャッツと武満徹との熱き接点ひそかに思う

克明に付けたところで物忘れがへるわけじゃなし手帳は止めた

二百六十七日目。夜のパソコンは、脳によくありません。 2010 克明に付けたところで物忘れがへるわけじゃなし手帳は止めた

わが子らの置いてゆきたるものあまた始末してのち年暮るるらし

二百六十六日目。 粗大ごみを大量に引き取ってもらう。 内田克巳 2005わが子らの置いてゆきたるものあまた始末してのち年暮るるらし

秋空を滑りゆくあの銀いろの舟のえがける水沫ゆたけし

二百六十五日目。遠いものほどゆっくりと進む。 秋空を滑りゆくあの銀いろの舟のえがける水沫ゆたけし

秋深し ぼくより先にゆくだろう煙草吸いつつ前を行くきみ

二百六十四分の一。歩行喫煙に悩まされて。 2005 distance-22 (内田克巳) 秋深し ぼくより先にゆくだろう煙草吸いつつ前を行くきみ

弟の冷めたるこえが受話器から われらそろそろ冬支度なり

二百六十三分の一。立冬。静かな雨。 2005弟の冷めたるこえが受話器から われらそろそろ冬支度なり

めざめはてて冷えゆくからだ蟀谷のあたりぽくぽく打ちて紛らす

二百六十二分の一。秋深し。 small works 2004めざめはてて冷えゆくからだ蟀谷のあたりぽくぽく打ちて紛らす

夢醒めてみょうに汗ばむこのからだ遁げることばを追うにも憂きて

二百六十一分の一。様々な音が耳に入る。 small works 2004夢醒めてみょうに汗ばむこのからだ遁げることばを追うにも憂きて

おとうとの声はなにやら遠遠し ミカンがひとつ卓上にあり

二百六十分の一。静岡ミカンは、子どものころと比べて格段に甘くおいしくなった。 おとうとの声はなにやら遠遠し ミカンがひとつ卓上にあり

よく似たるふたりの画家の顔と名が一致せしときわれ赤面す

二百五十九分の一。秋本番。 よく似たるふたりの画家の顔と名が一致せしときわれ赤面す

乳首ふたつお臍ひとつの三点を活かして描く基本三角

二百五十八日目。文化の日。日本国憲法公布の日。 乳首ふたつお臍ひとつの三点を活かして描く基本三角

ゆうぞら晴れて鱗雲浮く十月のひのき坂にはセミがまだ鳴く

二百五十七日目。十一月。暖房を入れる。このあいだまで蝉が鳴いていたが。 ゆうぞら晴れて鰯雲浮く十月のひのき坂にはセミがまだ鳴く

居合いなるを嗜めるきみと酒を酌み肉を食うときわれは身を退く

二百五十六日目。熱燗が恋しいけれど。 萬屋酒蔵の中庭 居合いなるを嗜めるきみと酒を酌み肉を食うときわれは身を退く