北村周一のブログ《フェンスぎりぎり》

フラッグ《フェンスぎりぎり》展へようこそ。現代美術紹介のコーナーです。とりわけ絵画における抽象力のリアルについて思考を巡らしたい。またはコーギーはお好き?

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

AIが育む果実有難くいただくのみに手は汚さない

千七十八日目。 灰いろの時代、2013。

腿朱く染め上げながら自転車の制服女子が雪のみち来る

千七十七日目。 いつまでも雪が消えない。

おりおりのお歌つくりは果てもなく千を超えても止めるひとなし

千七十六日目。 振り省みれば、ギャラリー檜plusは気持ちのいい空間だった。短命だったけれど。

山梨車居並ぶ夏の旧清水袖師横砂海辺の町の

千七十五日目。季節外れ歌。その昔、夏になると、清水の海辺には、山梨ナンバーのクルマがずらっと並んでいたっけ。 来るべきダイアローグのための。2014

ゆきふれば明るむ世界いつになく絵の表情にふでを加える

千七十四日目。 みひらき 2015。見つづけることも大切な絵の一部です。

ふかぶかと低気圧来るまえぶれは母なるひとに会いゆくときも

千七十三日目。 一手間足す方がいいのかどうか。

次々にビルが壊されビルが建ちそんなところに咲く貸画廊

千七十二日目。給湯器凍結する。さむい。 銀座京橋界隈の新築ラッシュはすさまじい。家賃を節約するため、画廊は古いビルの2階以上に集中する。

ユスラウメにうすらわらひのひびきあり公的年金受給の年に

千七十一日目。 ゆすらうめ、山桜桃と書く。花は春、実は夏の季語。

ギリギリとかたき発条巻くように絵を描きためる小雪ふる夜も

千七十日目。 冬十話。春の訪れ。雪待峠。

ふるさとへの土産は蟹にしておけと勧めらる曰くものいわずすむ

千六十九日目。 てのひらは口ほどにものを言うかも。

酔い痴れて嘔吐する父その部屋をのがれ来し母が呪うがに泣く

千六十八日目。 あすは大雪。それからしばらくは寒い日が続く。

偶然をよそおうようにまた春が来ている 道はほどよく遠い

千六十七日目。 のほほんと大寒の日は来たり。その道を行く。

家庭内不和のあとさきさわれども写真のなかのだれもが笑まう

千六十六日目。 写真機が家に常備されていないころ、写真は貴重な財産だった。 白の回復。

ふたたびの闇となるべくアルバムから写真剥がしおり父と母とが

千六十五日目。 白という色に救われることもあるだろう。

母なる船オデュッセイア号のHALにしてサヨナラダケガジンセイナノネ。

千六十四日目。 いずこにも安住の地はなきものと知れ・・・。

サスペンス劇場的なる家にありて盆暮れ殊に正月がこわい

千六十三日目。 いびつなり、歪形と書く。歪形、いびつなりと読む。小正月かな。

マイホームのゆめが潰えしうたかたの母とその母繰り言止まず

千六十二日目。 ホワイト・ノイズ White Noise。いわゆる、シャーというあの音のこと。

自然よりなおも遠くへ離れゆく画家の視線のゆきかうところ

千六十一日目。 灰いろという色がつかさどる色のあり方をかんがえてみる。 ジュート 2013

森のなかのかげ踏むように置かれゆくいろのむらさき遠のくごとし

千六十日目。 寒さ厳しい日々が続きます。

灰いろはことの始まりすみやかに塗り終えしのちの画布を見上げる

千五十九日目。 光の種子との対話について。

線ありて円の四つを這うようにすすむジグザグ黄みどりの上

千五十八日目。 ゆく道は砂の流れかもしれないが。

星々のごとく近づく白き斑の点のかずかず絵筆にひろう

千五十七日目。 白を基調にした、絵の配列を考えてみる。

かかさまの声にあらねばとぶ鳥のゆくえ目に追うゆうぐれんなか

千五十六日目。 久々の雨。草木潤う。

痛む方の利き手で描くすずなりの鱗のあまた人魚の仕業

千五十五日目。 振り省みれば、まだまだやるべきことは多い。

みごもりし人形遣いのゆびにぎり少しだけ泣いてみせる人形の子

千五十四日目。 寒いのは苦手とばかり言ってられない。

黄金色の夢をカラコロうすめゆくこの水割りにも朝が来ている

千五十三日目。 ゴールデン、金色の、活力にあふれた・・・。

まなかいに触るるばかりに百号の画布を起たせよ その垂直を

千五十二日目。 画布を木枠に張るところからはじまる。

くしゃくしゃの、思い悩めるわが顔のおもてをしばし湯舟に浸す

千五十一日目。 気持の整理がつかず苛立っているさま、くしゃくしゃ。

飛ぶ鳥の声はさみしきお迎えの母にあらねば夕やみに消ゆ

千五十日目。 正月も三日目になりました。 知られざるイヌ(年)の傑作は、こちら ➡ http://suigyu.com/2018/01#post-5442

くだもの屋のせがれ手ぶらで来ることなし歩くと遠い新婚の家

千四十九日目。 戌年。十二支の十一番目。イヌは寄り道が好き。 ラク