北村周一のブログ《フェンスぎりぎり》

フラッグ《フェンスぎりぎり》展へようこそ。現代美術紹介のコーナーです。とりわけ絵画における抽象力のリアルについて思考を巡らしたい。またはコーギーはお好き?

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

一昨昨日、一昨日、昨日とようやくに仕上がりしゆえに絵の題とする

七百十三日目。いわば薄氷を踏む思い。 三箇日・一昨昨日 2017 102×127×8㎝ 画布にアクリル塗料、ハウスペイント、鉛筆ほか。 一昨昨日(さきおとつい)、一昨日(おとつい)、昨日(きのう)とようやくに仕上がりしゆえに絵の題とする

生々しき白と白とを重ねゆくのみに過ぎたり三箇日は

七百十二日目。または、逃げる韻を踏む日々 AAA 118×82×5cm。うしろ前より。 生々しき白と白とを重ねゆくのみに過ぎたり三箇日は

さまざまのいろを織りなす無彩色灰いろといういろを拡げる

七百十一日目。うしろ前より。または、逃げる韻を踏む日々 A 2017 118×99×5㎝。 さまざまのいろを織りなす無彩色灰いろといういろを拡げる

窗のない暗い壁面手探りにあゆみゆくごと絵を見ておりぬ

七百十日目。または、逃げる韻を踏む日々 AA 118×92×5cm 画布にアクリル塗料、ハウスペイント、鉛筆ほか。フラッグ《フェンスぎりぎり》‐うしろ前‐より。 窗のない暗い壁面手探りにあゆみゆくごと絵を見ておりぬ

階段を降りて来る裸婦みあげつつむける視線はすでにキュビスム

七百九日目。または、逃げる韻を踏む日々 2017 AA・A・AAA(左より) 階段を降りて来る裸婦みあげつつむける視線はすでにキュビスム

人と人の交わりにこころ砕きこし画家のひとりの訛りある声

七百八日目。声は印象に残りやすい。何を言っていたかよりも。 人と人の交わりにこころ砕きこし画家のひとりの訛りある声

ホット・ミルクの甘さが香る冬の日の湯気のむこうのひとの気配も

七百七日目。うしろ前、2017。ギャラリー檜B・C。 ホット・ミルクの甘さが香る冬の日の湯気のむこうのひとの気配も

積み木細工ひとつ手にしてこちらがわへ振り向くおまえはラクではないか

七百六日目。縁側より-向う岸・右。日溜まりはあたたかいのですが。 積み木細工ひとつ手にしてこちらがわへ振り向くおまえはラクではないか

経と緯の触れあうところわずかばかりずらしてみたり絵にしてみたり

七百五日目。向う岸・左。近所の白梅がそろそろ満開。 経(たていと)と緯(よこいと)の触れあうところわずかばかりずらしてみたり絵にしてみたり

縁側にそってゆうらり自転車の影はすぎゆく向う岸まで

七百四日目。縁側より-向う岸左・右 2017 各132x98x3㎝ 画布に油彩、アクリル塗料、ハウス・ペイントほか。 縁側にそってゆうらり自転車の影はすぎゆく向う岸まで

灰いろの種子より生れて地の上に色づくごとし〈空耳〉の下

七百三日目。空耳・下 2017 フラッグ《フェンスぎりぎり》ーうしろ前ーより。ギャラリー檜B・Cにて。 灰いろの種子より生(あ)れて地の上に色づくごとし〈空耳〉の下

いと高きところよりわが目交いに降り立つごとし〈空耳〉の上

七百二日目。先週開催された個展、フラッグ《フェンスぎりぎり》ーうしろ前ー展より。 空耳・上 2017 62x62x5㎝ 画布にアクリル塗料、ハウス・ペイント、鉛筆、木炭ほか いと高きところよりわが目交いに降り立つごとし〈空耳〉の上

壁に掛かる絵よりも役に立つことも白地にみどりの非常口照る

七百一日目。この二枚の絵の題を、<非常口>と改めた理由でもあります。 壁に掛かる絵よりも役に立つことも白地にみどりの非常口照る

折り返し地点とおもおう午前四時まくらもとには眠剤と水

七百日目。給水ポイントともいうけれど。 折り返し地点とおもおう午前四時まくらもとには眠剤と水

然るべきクスリを飲んでうっとりと眠れるわれは助手席のひと

六百九十九日目。百薬の長ともいうけれど。 モルト F120左・右 然るべきクスリを飲んでうっとりと眠れるわれは助手席のひと

本領は絵を描く他のことにあるらしいこの人 画家の福耳

六百九十八日目。貧しくとも、愉快に過ごすべし。 本領は絵を描く他のことにあるらしいこの人 画家の福耳

病室のひがしの窓がさくらいろめくゆうつかた 管一つ増えり

六百九十七日目。まだまだ寒い日が続きますが。ちょっと早いけれど。 病室のひがしの窓がさくらいろめくゆうつかた 管一つ増えり

うすれゆくきおくのかなた春からの手紙は義母よ届いてますか

六百九十六日目。掠れ書き、重ね書き、見せ消ち。灰色の上の、墨色。 うすれゆくきおくのかなた春からの手紙は義母よ届いてますか

震災が何かを変えたと思うまで絵を画くのみにすごす三月

六百九十五日目。三月の巻。 震災が何かを変えたと思うまで絵を画くのみにすごす三月

崇高のひかりあまねくカーテンの隙間に踊りはじめる二月

六百九十四日目。一ダースの月、二月の巻。 崇高のひかりあまねくカーテンの隙間に踊りはじめる二月

素地と絵とのあわいをさぐる手がかりとしての『または、逃げる韻を踏む日々』

六百九十三日目。あくまでも手がかりとしての。それでもあった方がよいと思うのですが。 素地と絵とのあわいをさぐる手がかりとしての『または、逃げる韻を踏む日々』

かぜにさやぐ葦のようだね 側面を視野に入れつつ絵を見るきみは

六百九十二日目。右に左に揺れながら。 かぜにさやぐ葦のようだね 側面を視野に入れつつ絵を見るきみは

絵のきわに寄り添うように側面としてのことばのつらなりをよむ

六百九十一日目。ときにことばが自分を追い越してしまうことがあるかもしれないけれど。 絵のきわに寄り添うように側面としてのことばのつらなりをよむ

少しだけ心をずらすと見えてくる四隅のかげの絵のきわのこと

六百九十日目。静かな日曜日。あしたから、個展が始まる。 少しだけ心をずらすと見えてくる四隅のかげの絵のきわのこと

側面もだいじな一部まわり込むようにその絵の前に佇ちおり

六百八十九日目。搬入展示の日。晴れてよかった。 側面もだいじな一部まわり込むようにその絵の前に佇ちおり

内に外にひらくこころみそれぞれの絵にはそれぞれ名があることも

六百八十八日目。絵の題名もたいせつだと思うのですが。 内に外にひらくこころみそれぞれの絵にはそれぞれ名があることも

絵の具から絵になるまでのへだたりを埋めんとしてうごく筆先

六百八十七日目。少しずつ絵になるのではなく、なるときは一気に絵になることもある。 絵の具から絵になるまでのへだたりを埋めんとしてうごく筆先

密度なき絵の具と絵とのさかいめに見え隠れする垂れと捩じれと反りと裂け目

六百八十六日目。字余りの一首。 密度なき絵の具と絵とのさかいめに見え隠れする垂れと捩じれと反りと裂け目

奥湯河原温泉にあそぶアーティスト河原温氏がえがく一月

六百八十五日目。『一ダースの月』、まずは手始めに一月から。 奥湯河原温泉にあそぶアーティスト河原温氏がえがく一月

灰いろをかくも大事に思う日は暖かなればなおのこと良し

六百八十四日目。暖かな正月となりました。助かっています。 灰いろをかくも大事に思う日は暖かなればなおのこと良し