2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧
百二十七日目。 号令の声に沸き立つわれとわが記憶の中の学校プール
百二十六日目。 みずに輪をえがくしずけさ雨にしてプールに水の張られし朝を 富士浅間神社
百二十五日目。こちらからあちら側へと。 はじまりは点描にしてまたひとつ視野を抜けゆく雨とはひかり
百二十四日目。 塗りのこしにわかに失せて雨音の変わりゆくみゆ しろき雨脚
百二十三日目。 みたされたものから順に零れだす雨という名のあとさき思う () ) )
百二十二日目。 水飛沫あげてひいらりエンゼルは裸が似合う〈ウォーター・ボーイズ〉 富士浅間神社
百二十一日目。 〈ウォーター・ボーイズ〉みずはみちみちてジャンプ一番きみはきらめく
百二十日目。 つまぶきはすずきにかえてみずいろの少年愛(は)しき尾ひれを纏う
百十九日目。 ながながとつづくフェンスをみえかくれへくそかずらと基地という武器
百十八日目。 ようやくに個展終えたりまずはあの柱時計の螺子を巻くこと
百十七日目。 ロマンスカーで一駅の旅新宿へ行ってしまいしノートのゆくえ
百十六日目。 うす暗い水にしずめし和紙のごとそらが脹らむ月傾けて
百十五日目。 連凧を揚げてたのしむ風景を二子玉川駅より見てり こちらは相模川
フラッグ《フェンスぎりぎり》
百十四日目。 表すと表れるの差異あきらかに「青木」と「坂本」 洋画のめばえ
百十三日目。 みてあればぴしゃりと窓を閉めにける向かいの家の見知らぬ御仁
フラッグ《フェンスぎりぎり》
百十二日目。 閉じられし窓はおのおの日を受けて反射と反省語源は同じ
百十一日目。 開けてある窓はどれもが外からは暗く見えたり 子を諭す声
百十日目。 側湾症の傾向として不揃の足腰は常に右傾を促す
百九日目。 色彩の美学は空をよじれつつ画廊のしろき壁をけがせり
百八日目。 線香と父の匂いが冷え冷えとながれ来にけり去年の夏より
百七日目。 楡の木のほつえがさきに括られて雨傘はあり閉じたるままに
百六日目。 合目的的天気予報の直前にながれし画像が尾を引いている
フラッグ《フェンスぎりぎり》
百五日目。 遠い雨ちかい雨ありどの家も濡れていろ濃くかおりたるべし 1997年の線の配合より
百四日目。 クルマ止め墓石のごとく並び立ちわれに連なるときを待ちおり 1997年の線の配合より、CWR
百三日目。 うしろ向きに進むうつしみそを視野に入れつつそっとブレーキを踏む 1994年秋の線の配合より
百二日目。 雪に足をとられぬように来た道をあちら側へと 訃報でしたか 1990年の線の配合より
フラッグ《フェンスぎりぎり》