北村周一のブログ《フェンスぎりぎり》

フラッグ《フェンスぎりぎり》展へようこそ。現代美術紹介のコーナーです。とりわけ絵画における抽象力のリアルについて思考を巡らしたい。またはコーギーはお好き?

週一集その三 「爆笑問題」の左側

 

 

「爆笑問題」の左側

 

 

電車の中吊り広告で見た、何のコマーシャルだったか、右は非日常的ポーズを取ってはいるが、目立たない。左は目立つ、なぜか?

日常において際だっているからといって、情報として人目を引くわけではない。表現されたときに、この場合映像化されたときに、人の目を引きつけることが肝腎だ。

 

技量のある個性派俳優の日常は得てして俗っぽい。あくまでも表現上の問題であろう。一口に「センス」と呼ぶこともできるが(センスについては考えるときりがない、軽そうで重いテーマなのだ)、ここでは3つのポイントを押さえておきたい。

 

複雑な構造(つまりはヒネクレタといおうか)と、単純な表現性(シンプルであること、迷いがないともいえる)と、ストレートな攻撃力(ふだんは気づかず にいることを指し示すだけ)、の3点。  

 

巷には、瞬間芸があふれている。従って、わずかでも滞空時間のある芸は技術があるように見える。むしろ古くさい手法なのだろう。だとすれば、それがわかる人も多くはいないということになる。お笑い芸人の有り様は、現代の美術とも通底する問題を考えさせる。 

 

北野武の今風アートへの接近もたぶん偶然ではないのだ。(19988月)