北村周一のブログ《フェンスぎりぎり》

フラッグ《フェンスぎりぎり》展へようこそ。現代美術紹介のコーナーです。とりわけ絵画における抽象力のリアルについて思考を巡らしたい。またはコーギーはお好き?

2014-01-01から1年間の記事一覧

89 ひぐれのち雨の気配はカンヴァスにありていろ濃く撓む空間

短歌楽第89号刊。 雨が降り出しそう。グールドを聴く。平均律第2巻。 ひぐれのち雨の気配はカンヴァスにありていろ濃く撓む空間 ぽつねんと父がいいたり少尉だからな 同い年の小野田氏の敬礼 あかねさす富士を真中に右岸より二子玉川駅に入りたり

88 コントその可能性の中心は虚ろなるべし 鳩が飛び出す

短歌楽第88号。 思い付きではじめた、短歌新絵日記も、88回目を迎えました。以下三首。 コントその可能性の中心は虚ろなるべし 鳩が飛び出す 独断のまどろみを誘う弁護士のですます調の枯れた香水 あたらしき人口瓦に葺き替えし隣家の屋根より春立ちのぼ…

87 紙風船を突ける義母の手いきいきと記憶の底のバレーボール部

短歌楽第87号刊。下の写真は、近江八幡。 紙風船を突ける義母の手いきいきと記憶の底のバレーボール部 たしかなる動線のごとくカニューラの管は伸びきてその先の義父 先刻まで木魚叩きし住職はちょっと前まで静岡銀行のひと

86 愛用の撫刷毛は純馬毛にて「賢い馬は孤独をきらう」

短歌楽第86号刊。 さにわべのクレマチス咲き始める。下の写真は、京都の梅林。 愛用の撫刷毛は純馬毛にて「賢い馬は孤独をきらう」 神奈川の県のかたちになにとなく〈幸〉をおもえりポメラニアン種の であい系サイトに嵌る末の娘を棒読みに呼ぶ 風呂に入れ

85 歩の数を集めつつゆく冬の夜の駅のちかくへ来るとぬくとい

短歌楽第85号刊。 5月、心機一転。ブログの体裁も変わりました。 以下3首詠。 歩の数を集めつつゆく冬の夜の駅のちかくへ来るとぬくとい 駅の灯を浴びて仄浮く鉄塔のさきの先まで霧雨の中 ミニパトの婦警さんたち一方通行(いっつう)を逆走しており 逃げる…

五月の大移動

4月30日をもって、@niftyは退会しました。 ブログは、ココログのフリーに大移動しました。 大変でした。 メールアドレスも変わりましたので、 お手数ですが、お改めください。

dialogue vol.Ⅱ 稲憲一郎氏とギャラリー檜plusにて、その3

縁側(あ)

dialogue vol.Ⅱ 稲憲一郎氏とギャラリー檜plusにて、その2

dialogue vol.Ⅱ 稲憲一郎氏とギャラリー檜plusにて、その1

2014年3月17日より22日までの二人展。 下は、沈丁花。 撮影;森岡純

84 おおいなる表面張力濡れた手がいできて指に〈おいだき〉を押す

短歌楽第84号刊。 XP問題に翻弄されました。 下は、他の人の別荘で遊ぶラク、場所は山中湖。 おおいなる表面張力濡れた手がいできて指に〈おいだき〉を押す つまさきをひとつ失くせし叔父がそのみぎの小指が痒いと笑まう 「金指」の造船マンのはしくれの叔…

83 返り血を浴びてもいいよ俎上にてかわす視線の暗さときたら

短歌楽第83号刊。 庭のハナミズキが咲き始めた。下の写真は、山中湖。 返り血を浴びてもいいよ俎上にてかわす視線の暗さときたら その日わが家にもどりし義父なれば出でゆく別の葬儀社の手で 逝きし日の午後をわが家にはらからの声は籠もりておやごろしとも

82 トーストゆとろけるチーズは蕩け落ち受話器を取れば弁護士の声

短歌楽第82号。 トーストゆとろけるチーズは蕩け落ち受話器を取れば弁護士の声 サクラエビはのどに刺さると兄さんに脅かされたるあなた原告 訴状らしき郵便物がわれの手に渡されており 嘔吐する犬

81 あねいもとボール投げつつ父の死の予測をしたり打消しいたり

短歌楽第81号。だいぶ間が空いてしまいました。 あねいもとボール投げつつ父の死の予測をしたり打消しいたり 簡裁の廊にてあわく擦れ違うほどのえにしに調停を待つ 笑みしのちふいに誠意を説く顔のふじゅうぶんなる目の逸らし方