2013-07-31から1日間の記事一覧
短歌楽、第十六号刊。個展会場風景、三首詠。 赤にして葡萄酒あやしもギャラリーの床を滴滴手に紙コップ 右を見て左見ておりいずれもが顔見知りなる個展の宴 すみやかに去りゆく気配 ギャラリーの壁をいちもく見渡しにつつ
短歌楽、第十五号刊。スケッチ帖より、へなちょこ三首。 忘れ物したる級友えらばれてモデルとなりぬ図画の時間に いたいたしきまでにモデルをつとめたるクラスメイトの渾名薄鈍 絵葉書や切手とともに抽斗へ仕舞いわすれた東京五輪
短歌楽、第十四号刊。速度をうたう、ついでの三首。 機影なき爆音を目に追いながらカーワックスを拭き上げて無口 高気圧を待つらん新車のボンネット磨き終えて空仰ぐ青年 寝静まりし街を駆け行くライダーよ至上の愛の空焚きは無援
短歌楽、第十三号刊。世の中の由無し事をつれづれに、三首。 国道を脇に逸れたるあのあたり菊地直子の住まいしところ オウム真理教とのちがい簡明に述べよ説くべし 異教徒なれば 手配写真見ながら模写の真似ごとも 人を待ちつつKOBANの前