北村周一のブログ《フェンスぎりぎり》

フラッグ《フェンスぎりぎり》展へようこそ。現代美術紹介のコーナーです。とりわけ絵画における抽象力のリアルについて思考を巡らしたい。またはコーギーはお好き?

2013-09-13から1日間の記事一覧

50 ふるさとは例えば路地の片かげり北に海もつ町は気だるく

短歌楽第五十号刊。夏の記憶、あれこれ三首。 ふるさとは例えば路地の片かげり北に海もつ町は気だるく 欄干にゆびの爪など擦りつつわたる石橋 川向こうまで 天降る神の子のごと嫋やかに野道を来たり 愛されたくて

49 声のみの夕蝉の声こつねんと谺は無口な少年を追う

短歌楽第四十九号刊。ホザンナとは、救い給えの意。以下三首詠。 父母と別れてひとり告解へ罪の赦しは共にひとしく 天のいと高き処に幸あれと祈り続ける祈るべき人 声のみの夕蝉の声こつねんと谺は無口な少年を追う

48 わが胸に連なり来たる木立ありてホウシツクツク罪説く時間

短歌楽第四十八号刊。夏の終わりは、能登の夕暮れ、以下三首。 わが胸に連なり来たる木立ありてホウシツクツク罪説く時間 山ひとつ時雨れ鳴く見ゆおおいなる蝉が神父の声まねており 透き通るほどのうすずみその翅のいろに昏れゆくカナカナの声