2013-08-18から1日間の記事一覧
短歌楽、第三十号刊。科学のちからを省みるこのごろ、いろいろの三首。 小さなる手のつぎつぎにあらわれてうすももいろの夕日を囲む 灰色に凭りかかられて空色あり とおい遠い画面の底に原子炉 青は水、熱き湯は赤 捻るたびに蛇口の口をぬるまゆは出づ
ひきつづき短歌楽、第二十九号刊。清水港をうたう、三首詠。 やさしかりし祖父の名を持つしらす舟熊吉丸は清水のみなと 海を背に網繕える祖父にしてかえし来す笑みまぶしかりけり 日酒ちびりちびりとやるは老いびとの特権にして漁師の午後は
短歌楽、第二十八号刊。オリンピックをうたおうの巻、以下三首。 トロフィーが表通りに向けられて海士町山中毅の実家 お笑いに出るを目指してがんばったと五輪選手が目かがやかせいう 至近距離に見ている者の判定があっけなく覆されてTHE END
短歌楽、第二十七号刊。ハブラシのうた、その他三首。 娘はきょうも帰り来ぬらしカボチャばな受粉済ませし雄花は摘むも 娘とふたりかがみを前にならび立ちくちにハブラシ動かしており カルチャーを無断欠席したあの日、ハブラシの詠は日の目見ざりき